トラブルシューティング1起毛レザーに付いた汚れが気になる!
2011年発行 「日本の革 4号」より
汚れ落としは全方向に
仕上げは一方向で整える
起毛レザーは汚れが付きやすく、染み込みやすい。また、表面が滑らかではないため磨きあげるといったことができず、メインテナンスはブラシをかける程度のことしかできない。そのため普段から扱いには少し気を遣う必要があるだろう。
メインテナンスは基本的に使っているうちに寝てしまった毛を起こし、その間にある汚れをかき落とすことになる。ブラシは汚れを落とす時にはあらゆる方向にかけるが、仕上げの時には毛並みを考えて一方向に動かすようにしよう。また、起毛レザーは水を弾かずすぐに染み込んでしまう。そこで日常的に皮革用の防水・撥水スプレーをかけておくことで、水ジミを防ぐようにしておきたい。
スエードのデザートブーツ。パッと見にはあまり汚れていないように見えるが、よく見ると足の甲部分の色合いが黒ずんで見える。雨で毛足も寝ていて、靴の形がぼんやりとして見える。
シミは全体を濡らして落とす
スエードやヌバックといった起毛レザーは一度濡れて乾くと、濡れた所と濡れていない所の境目がシミになりやすい。こうしたシミは全体を濡らしてシミの汚れを浮かせて落とし、日陰で乾かすといい。
取れないなら染めてしまうのも手
起毛レザーを使い込んでいくと、メインテナンスしても落ちない汚れが付いてくることもある。そんな時には思い切って染め直して汚れを目立たなくするという手もある。